入江和歌囃子
明治時代の後、津市入江町の津藩士小野寺豊吉が、その町に伝わる踊り囃子に神田囃子(馬鹿囃子)の面白さを加味して、明治中期に津独自の「入江和歌囃子」を完成しました。
その後、口伝えとして受け継がれ、戦前の津の祭礼にはあやつり屋台(山車)の大き出し物の中にあって異形を放ちながら、城下町の低い家並みをぬって、のんびりと時には急調子に囃しながら多くの市民に親しまれたものです。
この囃子の特徴は、小野寺豊吉による曲(しらべ)にあり、彼一流のほそ音の笛を芯に本行(ほんぎょう)の囃子に忠実にして馬鹿囃子よりも神楽(かぐら)本来の姿に帰っていると云われています。